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【研究所見学】核融合研究施設JT-60SAの見学に行ってきた

更新日:2022年4月7日

2021年10月24日に茨城県にある量研那珂研究所の見学に行ってきた。ここには世界でも有数の規模の核融合研究施設JT-60SAがある。JT-60SAは最近改造が終了し、これから本格的な実験が開始される。JT-60SAの研究成果はフランスのITER(国際熱核融合炉)に反映される。



核融合とは重水素や三重水素などの燃料を高速でぶつけることで起こる物理現象である。核融合のプロセスで莫大なエネルギーが生まれる。しばしば太陽のエネルギー源と表現される。ITERも地上の太陽と言われる。核融合技術が実用化されれば、世界のエネルギー問題は解決するとも言われる。


ちなみに量研の正式名称は量子科学技術開発機構というが、何を研究しているかよくわからないだろう。ここは放射線医学総合研究所と日本原子力研究開発機構の量子ビーム部門と核融合部門が一緒になったので、元は原研(日本原子力研究開発機構)の一部である。個人的には原研と言いたくなる。

JT-60SAはトカマク型の核融合炉で、JT-60(わかりにくいので名前変えた方がいいのではないかと思うが)を改造・拡張した装置である。JT-60は核融合プラズマ研究に多大な成果をあげている。ヨーロッパのJETやアメリカのTFTRと並んで世界三大トカマクと評される。電子温度5.2億℃、プラズマ維持時間60秒という世界最高記録(当時?今も?)を持っている。


余談だが、中国の核融合炉 EASTが1億2000万℃を達成して、世界記録を更新したとイキっていたが、JT-60などの設備でとっくに達成されているような気がするが、どういうことだろう?101秒間は確かにJT-60を超えているけれども。




実際の装置は下の写真のような感じである。4階建ての建物を床と天井をぶち抜いて一体にしたなかにすっぽりハマるほどの大きさで、縦横に10mほどある。ITERはこれのさらに倍の大きさになるらしい。これだけの大きな装置でありながら、mm単位の精度が要求される。また超電動コイル、真空装置、粒子ビームなど最先端の装置が設置されている。


デカさとごちゃごちゃさにメッチャ萌える。


中央制御室はこんな感じ。NASAやJAXAで言う管制室みたいなものである。多分初めてプラズマが点火したときに打ち上げ成功みたいな歓声が上がるだろう。中央のディスプレイにJT-60SAの装置の断面や実験プロセスが表示される。


その瞬間を動画中継してくれないかな〜



今回の見学でITERの漫画をいただいた。「出会い編」「インターンシップ編」「ものづくり・出港編」「旅立ち編」の四部作である。この漫画を読んで少年少女たちが核融合やITERに興味を持ってくれるといいなと思った。

自分が生きている間に核融合の商用化が実現したらいいなと願っている。


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