【背景】
先日東京国立博物館の特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」に行ってきた。本展は完全事前予約制で運良くチケットが取れた。元々は新型コロナ対策であっただろうが、東京国立博物館の特別展は死ぬほど混むことが常態化しているので、混雑解消の効果もあっただろう。
この予約制度は平日で1日に7つの時間帯、金土は10つの時間帯で区切られていた。私が見た限りでは一つの時間帯に500人くらいが集まっていたと思われる。とすれば平日に1日入場者数3500人で売り上げが700万円、金土に入場者数5000人で売り上げが1000万円になる。一週間で約5000万円、全期間を通じて4億円程度の売り上げになると推定できる。
90点余りの国宝が公開されながら、ちょっと売り上げ少なすぎない?
【提案】
本展を見ながら、せっかく完全予約制にするなら、プレミアチケット枠を設けるべきだと考えた。夜間または早朝に一枚1万円から10万円くらいの幅で販売し、入場者数を極端に絞る。1万円のチケットなら入場者数は数十人程度、10万円のチケットなら数人に絞った方がいい。
プレミアチケット購入者からすれば並んだり待ったりせずに、国宝をじっくり鑑賞することができる。また夜間や早朝に開くことは、忙しいエグゼブティブ、ガードマンが必要なVIP、人目に触れられたくない有名人にとって、参加しやすいかもしれない。ジャニーズなどのチケットに比べれば1万円程度はそれほど高い価格ではない。
プレミアチケット購入者には派生したサービスも考えられる。博物館職員やキュレーターが付き添って、解説をしてもいい。通常よりも間近で観察できるように、ガラスを開けてもいいかもしれない。
【想定される反論】
1.金持ちを優遇するのは不公平である
特に国立博物館は、国民全員に対して平等にサービスを提供すべきだと考える人は多いだろう。しかし昼間に通常のサービスをしているので、少なくとも不平等という批判は適切ではない。また1万円程度なら一般市民でも出せない額ではないので、じっくり鑑賞したい人は買ってもいい。
正直日本は悪い方に平等に固執しすぎである。国宝90点余りを所有する東京国立博物館は、ものすごい資産をもっているのに、それを活かさなすぎである。この程度のプレミアサービスなら導入して、もっと稼げる博物館や美術館を目指すべきである。
2.セキリティが不安である
通常の営業時間外に人を入場させると盗難のリスクが高くなると考える人がいるかもしれない。しかしプレミアチケットの購入者はそもそもそれほどの人数ではなく、昼間に有象無象の人間が数百人〜1000人入っている状態に比べれば、監視の手間はそれほど高くない。何よりプレミアチケット購入者はそれなりの地位にある人の方が多いだろうから、盗難という犯罪を犯すリスクは小さい。
それ以前に夜間であっても監視カメラなどのセキリティが働いているはずなので、それほど手間が増えるとも思ない。
3.時間外に運営すると博物館職員が大変である
職員の仕事が増えるのは確かだろう。しかしこれはデジタル技術を活用することでだいぶ軽減できる。また夜間や早朝に出勤する職員には特別手当を支払えば良い。それだけの収入が増えるのだから、支払うことがそれほど負担になるとは思ない。
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